ひとりでも入れる労働組合 メールアドレス:nakamaunion@biscuit.ocn.ne.jp


ひどいパワハラを受けていた上に、
突然、解雇され、途方に暮れました

私は、電話で商品紹介やセールスをする会社のアルバイト社員でした。同僚はみんな若く、そうしたメンバーと比べると、パソコン操作などで苦労する事もありましたが、懸命に覚えました。みんなが嫌がる残業や休日出勤、クレームの多い夜の時間帯も積極的に仕事を引き受けました。

しかし、私は、リーダーからひどいパワハラを受け、苦しんでいました。毎日のように小さなミスを指摘され、同僚がいる場所で、長時間に渡り、小言を言われました。そのため、体調も崩してしまいました。それでも、何とか仕事を続けていた私に対して、会社は、突然、「解雇通告」をしました。
「どうして、私が解雇に……」と途方に暮れました。

友人
「会社、辞めるの?何かあったの?」


「実は、所長に呼ばれてね。私が、就業規則に違反する行為をしたって言うの。それで、来月一杯で、解雇だって言われちゃったの。私は、解雇されるような事は、何もしてないと思うんだけれど」

友人
「解雇って、何よ、それ?あなたの何が、違反したって言ってるの?」


「この間ね。お客様との電話中に、機械の操作ミスで電話が切れちゃったことがあるの。後からかけ直して、ちゃんと了解はしてもらったんだけれどね。それがクライアントに迷惑をかけて、会社の信用に傷をつけたって言うの。もう1つ言ってたのは、研修が必要な業務を、研修を受けないまま担当したことが、業務命令に違反してるんだって。確かに、1度、事前の研修を受けなかった事があるの。でも、その時はリーダーもいて、何も言われなかったから、そのまま仕事を続けたの。お客様との間にトラブルとか、何もなかったしね」

友人
「そんな理由で、首にされちゃうの?始末書を書かされたとか、注意を受けたとかならわかるけれど」


「私もそう思うんだけどね。あとね、この前、すごく体調が悪くて頭がボーとしていて、お客様にかかった電話の呼び出しコールを何分も鳴らしたままにしちゃったでしょ。それも理由の1つだって言われちゃったの」

友人
「ひどいよね。あの日は、朝から具合が悪いって言ってたでしょう。すごく調子悪そうで、回りのみんなも心配してたのよ。それなのに、リーダは、居眠りしてるとか、怠慢だとか言ってたのよね。リーダーなのに本当にひどい人よね。そもそも、あなたが、体調を悪くしたのも、リーダーが、いつもガミガミ、ガミガミ言ってるからでしょう。あの人、前にも1人パワハラで辞めさせているのよ」


「私の解雇理由って、私が、リーダーに言った事なのよ」

友人
「それ、どういう事?」


「少し前ね、リーダーに呼ばれて、また、細かい事で色々と言われてた時に、『最近、ミスした事を言ってみなさい』って言われて、答えた内容と同じなの」

友人
「つまり、リーダーが、部下から聞いた事を、会社が、そのまま解雇理由にしてるって事よね」


「私、リーダーに嫌われているみたいだから、それで……」

友人
「それで、就業規則に違反してるとかこじつけて、辞めさせようとしているのかしら。だとしたら許せないよね」


「そうよね。それにリーダーのせいで、身体も壊しちゃって、私も納得いかなの。でも、会社から『解雇』だって言われちゃったらしょうがないでしょう」

友人
「そんなことないよ。首都圏なかまユニオンって言う組合があるんだけれど、相談してみない?私も前に相談したんだけれど、ちゃんと話を聞いてくれて、相談に乗ってくれるから。ね、1度話を聞いてもらおうよ」

ユニオンに加入し、会社との団体交渉を開始しました

私は、友人の紹介で、首都圏なかまユニオンに相談に行き、ユニオンへの加入を決め、会社と交渉する事にしました。ユニオンは、①解雇撤回、②雇用継続、③パワハラに対する謝罪と補償を求めて、会社との団体交渉を開始しました。

私は、解雇の後、体調をさらに崩しましたが、なんとか外に出られる程度に回復したので、団体交渉には、第3回目から参加しました。就業規則違反を根拠に解雇したはずなのに、会社は、私に対して、就業規則の存在すら知らせてない事実を、団体交渉で追及しました。ユニオンは、団体交渉で会社の不誠実な対応を追及しながら、ハローワークや労働基準監督署へも足を運びました。ハローワークでは、とんでもない事実が明らかになりました。会社は、解雇と言っているのに、離職票には、「自己都合退職」と記入して、提出していたのです。離職票は、退職者が失業保険を受給するために必要な書類であり、会社には、ハローワークへの提出が義務付けられています。そのような公的書類に嘘の記述をしていたのです。解雇され、収入が途絶えた私にとっては、失業保険がすぐに受給できるか否かは、生きるか死ぬかの大問題です。ユニオンは、会社の嘘と違法行為を団体交渉で追及しました。

団体交渉の力で、解雇を撤回させる事ができました。

会社は、「アルバイト社員は、必要がなくなれば簡単に解雇できる」と考えていたのでしょう。しかし、団体交渉で追求され、ハローワークや労働基準監督署からの指導が圧力となって、会社は、解決を決断しました。ユニオンの女性部会の仲間が、団体交渉に参加し、厳しく追及した事も、会社への大きな圧力になりました。会社は、解雇を撤回し、会社都合の退職とし、解決金を支払い、労災申請に協力する事を約束しました。

団体交渉では、普段は、なかなか言えない疑問や意見を上司に向かって言う事ができました。勉強になった事もたくさんあります。女性部会の皆さんが、一緒に参加してくれたので、とても勇気づけられました。私の争議は解決しましたが、これからは、アルバイトや派遣で働いている人の力になれるよう、できる限り団体交渉に参加していきたいと思います。